安達太良山(1700m)

2016年10月25日火曜日

福島県

2016年10月20日(木)       天気  晴れ(強風)




奥岳までのバス便が無くなってだいぶ久しいですが、
秋シーズンの期間限定になりますが、二本松駅から奥岳までのシャトルバス(福島交通)が
運行されていることが分かり、
以前から行きたかった安達太良山に行ってきました。


新幹線で郡山まで、そこから乗り換え二本松駅に。
5時台に家を出れば、8時にはもう二本松です。
へたな近郊の山へ行くより、時間的には早い事が驚きです。

シャトルバスは岳温泉に停車するだけ。
50分ほどで奥岳に到着です。
目の前はスキー場、さっそく鮮やかな紅葉が目に飛び込んできました。

この日は強風の為、ゴンドラは運休になっていました。
もともと勢至平から峰ノ辻を経て山頂まで行き、帰りに時間が押しているようであれば
ゴンドラを使って下山しようと考えていましたので
(使える帰りのバス便は14:40の1本のみ)
身支度を整えたらすぐに出発しました。

バス停の先を道なりに進んで行きます。
五葉松平方面への道との分岐を過ぎ、指導標の案内に従って歩きを進みます。
樹々の葉は色とりどりに染まり、来て本当に良かったと思える紅葉でした。

道はジープが通れるくらいの整備された馬車道がありますが、近道の旧道を使います。

旧道は何度か馬車道をやり過ごした後、くろがね小屋へ向かう馬車道に合流します。
幅広の歩きやすい道を進んでいけば、ほどなく勢至平です。
樹々の上に鉄山方面の断崖や安達太良山が見えてきて、否が応でも気持ちが昂ります。

勢至平からは峰ノ辻を目指すのですが、標識のすぐ左に入り込む道があったので
最初そちらに足を進めたのですが、すぐに踏み跡も不鮮明となった為、どうも違うと言う事で
引き返しました。
案の定、峰ノ辻への分岐は更に少し行ったところに有りました。
強風の為か、ほとんどの方はとりあえず、くろがね小屋を目指してそこで様子見のようでした。
先程までの幅広い道から一気に登山道らしい雰囲気にかわります。

歩くたびに壮大な景色がじょじょに近づいてきます。
時折低めの木々の上から赤黄色に染まった山肌が大きく見えます。

やがて登山道はハイマツに覆われた岩のゴロゴロした見晴らしの良い道に変わり、
鉄山の断崖が大きく右手に広がり、
前方には安達太良山の別名乳首山の乳首がちょこんと頭を出しています。

素晴らしい景色を眺めながら行くと峰ノ辻に到着です。
くろがね小屋からの道と合流します。
そちらの道を利用する方が多く、割と多くの登山者がいました。

ここは開けて見晴らしの良い所で、目の前には安達太良山山頂が迫っています。
右手の道を進めば牛ノ背です。
この日はとにかく風は強くて強くて、牛の背から山頂までの稜線はかなりの強風で厳しい為か
ここから山頂を目指す方がほとんどだったのですが、
遠目に稜線を歩いてる方もちらほら見られたのと、沼ノ平の景色を見てみたかったので
予定通り牛の背をめざしました。

登るにつれて丁度正面牛ノ背から吹いてくる風がどんどん強まってきて、歩くのにも一苦労でした。

牛ノ背、稜線上です。
ここから山頂までは本当に苦労しました。
しっかり立っていないと風にあおられて吹き飛ばされそうになります。
写真を撮るにも普通に構えるとブレブレになるのでお腹に構えて取るような感じでした。
火山性ガスが発生していて立ち入り禁止の沼ノ平です。
牛ノ背からゆっくり沼ノ平を見たかったのですが、
風にあおられてちゃんと立っていられない状況でしたし、
強風に乗って顔に砂粒があたり、とても展望を楽しむ余裕はまったくありませんでしたので、
ゆっくり気を付けながら山頂方面を目指して足を進めました。
この沼ノ平の写真も正直、良く撮れたな~なんて感じです。
半世紀ほどの人生の中で一番強く感じた風でしたし、風に恐怖感を抱いたのも初めてでした。

山頂と右手に和尚山(1601m)。
左手には篭山(1548m)と峰ノ辻、そして紅葉の尾根と二本松市から福島市にかけての展望が。


山頂は間もなくです。
安達太良山山頂です。 
後ろの岩場(乳首)は鎖等有りますが、楽に登れます。
狭い山頂も風が強く、足場も悪くあまり長居は出来ませんでした。
この日は遠方の山々は雲がかかってあまり見る事は出来ませんでしたが
近くの山々や二本松方面は良く見えたのではないかと思います。
目の前に大きく和尚山。
船明神山。
吾妻連峰方面
二本松市方面。


風が強く、昼休憩するにも寛げる場所も無かったので、
ゴンドラの山頂駅まで行って休憩を取ることにしました。
色とりどりに染まった山肌がとても綺麗です。
途中振り返って。

木道に出てからは歩きやすく快調に足を進めることが出来ます。
薬師岳の展望台への分岐を左に見送り、取りあえずゴンドラの山頂駅をめざします。

ゴンドラはやはり運休中で駅施設も閉鎖されており、
いつもでしたらおそらく観光客で賑やかであろう
駅周辺も一組の登山客の方が休憩をしているだけで静かでした。
帰りのバスの時間もあるので、少し風が弱まる場所でそそくさと昼食を取り、
五葉松平経由で下山する事としました。

途中、薬師岳展望台から安達太良山、鉄山へと続く、大展望です。
別名乳首山と言われる所以が良くわかります。

稜線から右手奥に吾妻連峰方面が遠望できました。

紅葉を楽しみながら狭い登山道を下ってゆけば、やがて広々としたスキー場に出ます。
リフトの最後あたりで左に折れれば、行きに通った分岐です。
結構バタバタと降りてきたので、余裕をもって到着する事ができました。

帰りのバスは岳温泉止まりです。
岳温泉から二本松駅までのバス便は割とあるので近くの旅館でお風呂をいただき、
ゆっくりと身体の疲れを癒しました。

兎に角、今回は風が有りえないほど強くて、稜線上や山頂などでゆっくり景色を堪能する
事が出来なったのと、時間も取られた上、ゴンドラでの下山も不可能だったので
結構最後あたりバタバタとしてしまいましたが、
その風のおかげで次々と沼ノ平側から湧き上がる雲が留まる事も無く、
壮大かつ美しい色に染まった展望を拝む事が出来て、本当行ってよかったと思いました。
素晴らしい所です。満足感でいっぱいの山行でした。


コースタイム
奥岳バス停 9:03 → 勢至平 10:14 → 峰ノ辻 11:11 → 牛ノ背 11:33 →
山頂 12:00 → ロープウェイ駅 13:00~13:20 → 奥岳バス停 14:10